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9月ブックプレビュー

Book Preview 富山高校図書館 2020.9

『廉太郎ノオト』                 谷津 矢車/著
 廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった――
最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!

『キャパとゲルダ―』         アロンソン,マーク/著
 生きるために―ふたりは戦場へ向かった。激動の1930年代、スペイン内戦を世界に伝えた二人のカメラマン、ロバート・キャパとゲルダ・タロー。カメラを武器に革命に身を投じた、若き二人の青春の物語。キャパはゲルダに写真を教え、ゲルダはキャパを、戦場カメラマンとしてプロデュースした。激動の1930年代、夢と理想に燃え、カメラを武器に闘った若き二人の素顔とは…?

 『ちくま新書  コミュニティを問いなおす』 広井 良典/著
 戦後の日本社会で人々は、会社や家族という「共同体」を築き、生活の基盤としてきた。だが、そうした「関係性」のあり方を可能にした経済成長の時代が終わるとともに、個人の社会的孤立は深刻化している。「個人」がしっかりと独立しつつ、いかにして新たなコミュニティを創造するか―この問いの探究こそが、わが国の未来そして地球社会の今後を展望するうえでの中心的課題となろう。本書は、都市、グローバル化、社会保障、地域再生、ケア、科学、公共政策などの多様な観点から、新たな「つながり」の形を掘り下げる大胆な試みである。

フラミンゴボーイ』         モーパーゴ,マイケル/著
 一人のイギリス青年が、一枚のゴッホの絵をきっかけに訪れた南仏カマルグで、原因不明の高熱におそわれ動けなくなる。辺りにはフラミンゴが無数飛んでいた。気を失った後、助けられた家で不思議な話を聞くことになる。第2次世界大戦の末期、南仏の田舎町カマルグにもナチスはやってきた。そこで何が起きたのか?それは、フラミンゴと話ができる不思議な力を持つ少年とロマの少女の物語だった。歴史のひとこまを力強く描く感動作品

 『古代エジプトの数学』             礒田正美/著
 本書は議論全体は軽い調子の会話のような流れで書かれており、歴史上のさまざまな年代の図や面白い話、逸話などが掲載されています。 古代エジプト人の算法(アルゴリズム)を体験的に探る中で古代エジプト人の思考法を探っていき、その比較相対として、私たちが行う四則計算にみる今日の算数・数学の特徴が浮き彫りになっていきます。 古代エジプト人になったつもりで、彼らの考えやその営みをシミュレーションできるようになり、古代エジプト文明がいかなる文明であったか想定することもできるでしょう。さらにその比較対象から、私たちが未来予測に用いる算数・数学の本質、それを代替する情報機器の意味についても気付きを得ることができる興味深い一冊です。

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